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攻殻機動隊SAC 2045第12話まで観ての感想

 第1話で公安九課のメンバーが20XX年の世紀末で雑魚狩りしてた時には私はこりゃ攻殻機動隊北斗の拳になっちまったんだなぁ……と遠い目をしてしまったのだけれど杞憂でした。

 今回の攻殻機動隊はきちんとSACしてます。しっかりと経済と絡んでて、しっかりと人情描いてます。テーマは金融崩壊。映画無印の人形遣いのような超人が物語をかき乱しまくります。

 

びっくりしたGJな点

・社長(一般人)が実は少佐より強くて全裸でバクテンし始めた。

・画面にタイトル「はじめての銀行強盗」が表示されて次のカットで銀行に向かっていくバトー。公安スペシャリストの荒事担当が銀行強盗とかイージーミッションすぎる。話が1分以内に終わるわ。

・新キャラのプリンがバトーに熱烈アタック、少佐無反応。

・成人男性向け同人誌のような思春期学生の濃厚なNTR劇をよりにもよって攻殻機動隊で観ることになるとは思わなかった。

 

気になる点

・OPで舞台背景のモデリングの骨組みを見せてしまったこと。世界観の現実味が3Dモデルで吹き飛ぶ。さすがにこれは3Dで一番やっちゃいけないことだろう。

・第一話にて黒背景白文字で世界観を説明しているのだけど、無駄に長い。絵で説明してくれ。

イリヤ・クブシノブ氏の3D少佐が見た目可愛すぎて女子大生、前の大人の女という感はなし。まあ動きかっこいいんであまり気にならないけど。

・音楽が菅野よう子じゃなく、それほど主張してない。顕著に駄目なのはOPとEDが全くSACらしくないこと、2ndGig OPのような玄人仕事人感はどこへ行った。

・3D化により、手書きのみで書ける重い雰囲気が消えた。キャラズームの際の分かりやすい画の良さがない。キャラが止まって話す際の濃厚な威圧感がない。3Dによって雰囲気が軽くなってしまった。(代わりに3Dの動きの良さ、アングルの無茶振りの良さはある)

・3Dモデルが3Dっぽい。スクショだと良さが伝わり辛そう。なお動きはかなり良いため動画だとそれほど気にならない。けれどほぼ全員の髪がハードワックスで糞硬くて風にも揺られないのは気になる。PS5みたいなリアルすぎる3Dに移行して髪の毛ふさふさしてほしいと切に願う。

・第11話の女性の衣類のon/offがしっかりしすぎてる。物語的には、女性の裸の素肌の上に中途半端に着た布の下着が不恰好に乗っているという感を出すべきなのに、テクスチャとして肌の上に衣類が全く乱れずにきちんと張り付いてしまっている。手書きだと男性スタッフが心血注いで必要以上に背徳的に女性の体を描きまくっていただろうに。これが3Dの限界か。

・3Dの間と手書きのカット割りがなんとなく違う。じきに慣れるけれども。

・荒巻の声が落ち着きすぎてる気がする。もう少し以前のように時間がない感を出しても良いのでは。

・ジョン・スミスがやたら自分の名前を自己紹介してる感。日本で言う名無しの権兵衛的なその自分の適当すぎる名前が好きなんですかと問いたい。

・12話時点でのボスの心理的背景がまだ依存心の強い思春期の子供という印象が強すぎて私は共感・賛同できず、なのでトグサが消える理由が軽率に感じる。SACシリーズのキャラたちのような強烈で崇高で押し付けがましい正義感が全くない。受動的過ぎる。ボスに似つかわしくない。正直今後の展開が不安。

 

良い点

・3Dのため、きちんとした動きがある。ゲームの3Dのような芋っぽいキャラ立ちは皆無。しっかりと空間が練られていて地味にかっこいい。

・シナリオがきちんと渋い。SACシリーズのような高度な人情と高度な経済観念がある。個人的に7話が顕著。

・新キャラのプリンがきちんと人間らしくてきちんと可愛い。3Dキャラに可愛さが篭っているのはこの3Dアニメの総合技術がしっかりしている証拠。

 

 1クール12話全部見終わりました。SACが復活したんだと感動しました。攻殻機動隊はやっぱり神山健治氏じゃなきゃいけない(押井守氏のも別ベクトルで好き)。次のクールも必ず観ようと思います。