大学で小説を学んでいる田中君が時折うちにやって来ては、私に物語のツッコミを依頼してきます。
対して私は田中君の作品に対して、マイペースに手厳しく、
・「とてもっていう言葉はセリフなら問題ないけどト書きで描くのはあかんわ、こう書きたくなったとしたらとてもってところを具体的に書いてね」
・「いやここ絶対情景イメージせずに語感だけで描いてるでしょ。情景イメージしたらこの言葉には絶対にならない。私にとってこの場面は肉感がないわ」
・「作品そのものにドラマ(葛藤)がない」
などと容赦のないツッコミを入れて、田中君を凹ませます。
今日も田中君が来て、今回は大学に出したレポートを見せてくれました。
・私に容赦のないツッコミを受けて小説家ではなく漫画家を志望するようになった。
そこは「小説ってこういう見方もあるんだね! 勉強になるよ! ありがとう先生!」と言って欲しかったです。
私の提示する小説家としての最低限のハードルが、田中君にとってはどうあがいても超えられないものだったのかもしれません。田中君、お願いだからもっと熱くなれよ。
あと私の田中君へのえげつないツッコミ(モラハラ)が向こうの大学の先生に恐怖の象徴として伝わったのが気恥ずかしいです。
田中君。
いや、ほんまごめんて。